村上春樹氏の新刊は、やはり、買いました。しかも当日に。富山は小説を買うのに行列を作ったりしなくて済むので、とてもいいです。1Q84のときも普通に本屋に平積みしてました。内容はやや?な部分が残り、読み終わった時「ノルウェイの森」の時のような気持ちにはなれませんでしたが、それでもまずまず面白かったです。
僕が小説とか文章一般を読むようになったのは普通の人よりかなり遅く、高校2年生のときでした。受験勉強でZ会の通信講座をやっていて、そこで問題として出て来た文章がある小説の一部だったのですが、あまりにも素晴らしい文章で、結局その小説を買って全文を読んだのがきっかけです。それまで現国の勉強といえば新聞の社説とか天声人語とかのつまらなくて下手な文章か、小林秀雄とか高校生にはやや難解な文章を高校の教員に言われるままに読んでいましたが、受験勉強というトレーニングとしての読書で「理解」に力点が置かれ、文章の「良さ」に関して無頓着でした。というより、「良さ」を感受する能力も低かったのだと思います。ということで、そのとき初めて文章の美しさに感動しました。その小説の題名は「蛍川」という宮本輝という作家の小説です。それからというものほとんど活字中毒のように本を読み始めました。高校のときは勉強があったのでそこそこ自制もしていましたが、大学になって暇になると、エスカレートし、とにかく活字を読んでいないと落ち着かなくなり、毎日図書館で新聞の3大紙と日経には必ず目を通す日々を過ごしましたし、飯を食べに行くにも新聞がない店には行かなくなったりと、そんな感じでした。程度は軽くなりましたが、今も活字を読み出すと止まらない癖は変わっていません。
話は反れましたが、宮本輝氏の初期の作品は本当に素晴らしいと僕は今でも思います。一度読んだ小説を読み返すことはほとんどありませんが、宮本輝氏の川3部作は何回か読み返しました。そこには昭和30年代の富山県の描写が少なからずあり、僕の富山のイメージはそこで出来上がりました。今思うと、漆の勉強で富山に来た一因もそこにあるような気がしています。とても不思議な縁だと思っています。