庭仕事をしていて思ったこと。

 

ここ数日は雪も少ないので時間をみては庭の手入れをしています。本を読み漁って庭のことを集中的に勉強したいのですが、本を買い過ぎていつも妻に怒られるので、出来るだけネットで調べてから作業しています。 長年の落ち葉の集積などで元々の地形が失われているので、とりあえず復元を試みているのですが、スコップで掘り返しているといろいろなものが出て来ます。取り壊した建物の基礎とか、石を積んだ跡とか、排水溝の跡とか、雨水槽の跡とか。いろいろ考えた結果、大きな庭の改造が少なくとも2回はされているという結論に達しました。そのうちの1回は庭の構造をちゃんと理解していない人の工事らしく、庭の造成当初、非常に良く考えられていた排水のしくみもその工事により失われたようです。なぜそのようなことが分かるかという理由は省略しますが、その庭の改造工事は庭の地形や大きな石の位置などを大幅に変えたようです。庭には微妙な勾配や必要な石や木があり、排水路や暗渠排水などに雨水を誘導していきますが、それが無視されています。そのため庭に水溜りが出来たり土が流出したりして地形が変わり、益々庭の原型から離れていってしまいます。 また、安易に砂利を撒いてしまっていて土地が死んでしまっているところもあります。苦し紛れに砂利を撒いたところで、何もしなければその上に自然に土が被さり雑草が生え、とても汚い景観になります。しかも砂利をすべて取り除くのは容易ではありません。下手なことをするくらいなら何もしない方が良いという好例だと思います。 僕は仕事で漆工芸品を直すことも多いのですが、極力、余計なことをしないように心掛けています。原型がどうだったかということをまず理解して、そこに近づけるようにします。修理により市場価値を上げることは大事ですが、優先順序としては、価値を下げている要素を取り除くこと、また、現状より価値が落ちないよう崩壊を止めることが重要です。修復の価値は、修復による価値の上昇と延びた寿命との積なので、例えば、モノの市場価値を2倍にし、寿命を3倍にすれば価値は2×3で6倍になったといえます。瞬間的に価値が上がっても、いい加減な仕事ならすぐに崩壊し価値を失います。すべてのことに言えることだと思います。庭仕事をしていてそのような認識を新たにしました。

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