陶芸など。

 

今年ももうすぐ終わろうとしています。

近年は年末ぎりぎりまで仕事をするので、年の瀬という感覚が無くなってきました。今年もまだ積み残しがあり、これからも忙しいのですが、振り返れば、いろいろ新たな試みもあり、楽しい一年だったように思います。漆の技術に関しても非常に大きなイノベーションがあったのですが、それ以外には特に陶芸に関してかなり勉強する機会がありました。古いものから新しいものまで、実際に現物を手にして、使えるものは使ってみたりもしました。現代は情報が溢れているので、知識を得ようとすれば簡単に得られます。でも現物を手にして顕微鏡などで観察することはそれなりに面倒なのと、機会に恵まれないとできないので、貴重な経験です。また、自分が考えたモノを陶芸家に焼いてもらったりもしました。陶芸は大学のときも少しですがやっていたので、本当は自分でやりたいのですが、残念ながら時間がありません。しかしながら人に頼んで作ってもらうのもとても楽しいことです。しかも腕の良い作家に頼んでいるので、想像以上のものが上がってくるので、毎回楽しみにしています。

モノと向き合うときにいつも大事にしているのが、生活の中で必要とされ作られてきたものから学ぶということです。知識や正しい見識を得るためには、ものが生み出されて進化していった過程を知るということが重要だと考えています。生物を理解するときに進化の歴史を学ぶのが大切なように、モノも進化してきた歴史があり、その中には見捨てられがちな大事な情報が隠されています。人が必要としてきたモノの歴史が工芸の歴史の本流だと思います。そういう意味では丹波焼や越前焼に縁があった今年は、とてもよい年でした。

私は工芸に関わり生きているので、もちろん一番必要なスキルは価値の高いものを無から作ることですが、次に価値の高いスキルは、多くの工芸品の中から価値のあるものを正確に選び取れる能力です。由緒正しいお道具を拝見し感動したり、コレクションするのは楽しいことかもしれませんが、それは能力ではありません。世間には古い箱に入れられた新しいものもたくさんあります。また、稀にその逆もあります。それを見分けるのが重要な能力です。またそれは審美眼でもありません。美しいものには個人差があるので、僕はあまり重視していません。

今取り組んでいるテーマは、漆と陶芸のコラボです。まず技術的なことから考えています。

 

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