昔の技術に対して思うこと。

 

江戸時代の杣田細工を手元に置いて分析する機会に恵まれました。非常に優れた作品で、参考になることが多いです。江戸時代の終わりくらいから明治にかけては日本のいろんなところで結構良い螺鈿作品がつくられているのですが、細かく見ると技法的にはかなり相違点があり、なかなか興味深いところではあります。良材はそれ自体が非常に貴重なので、歩留まりを考慮し、安定した加工技術が求められたのは当然ですが、その中でも非常に高度な加工を成し遂げていることに頭が下がります。

蒔絵技法も同様です。歴史的にはある程度の傾向はあるにしろ、作者によってすべて違うといっても過言ではないのではないでしょうか。僕自身、蒔絵技法に関しては独創で、粉の蒔き方も従来のやり方とかなり違います。恐らく僕のやり方より優れたやり方もあるとは思うのですが、あまり興味がありません。自分で考案した方法は、自分のアイディアを実現させるためには既に十分で、しかも、あくまで僕個人の評価ですが、合理性においても一般的な伝統的方法を凌駕しているのではないかと思います。

いつの時代も、ちゃんと努力をして汗を掻いた人が成果を残していることは間違いないと思います。古人から学ぶことは技術だけではありません。怠らず、さらに精進したいと思います。

 

 

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