僕が個展をすると、必ずと言っていい程、同業者(蒔絵や螺鈿やっている人)が来ます。僕は、一般の方には案内状をたくさん送りますが、同業者にはこの人には観てほしいと思う人以外には案内状を送りません。理由は簡単です。真似されるのが嫌だからです。作品や技術は努力の結晶です。それを無断で奪われるのが嫌だからです。
先日も大阪で個展をしたときにわざわざ埼玉からやって来た青年は、他のお客さんもいるにも関わらず、1時間以上も会場にいました。個展は当然販売が目的なので、購入の意思もないのに長時間会場に居るのも社会人として問題はありますが、さらに、その青年が自分の作品のソースを他人の作品に求めることに何の抵抗感も持っていないことに、作り手として大きな違和感を感じます。
私がそこで個展をすることは、私が案内状を出したり、託した人経由で知った人以外は、ほぼネット上で私の名前で検索することでしか知ることは出来ません。一般の方やお客さんが私の作品に興味を持ってそれをしてくれたら、それはうれしい限りですが、作り手がそのようなことを日常的にやっている姿を思うとゾッとします。また、特に若い人の間にそのような文化があることに強い憂いを感じています。ネットでストーキングするくらいは「コスイやつ」くらいしか思いませんが、わざわざ商業目的の個展にまで来るのは罪悪感や羞恥心すらないということなので、作り手としての心得が不足している気がします。
私のホームページのアクセス状況からすると、これを読んでいる作り手は少なからずいるはずです。真似する材料を他人の個展に探しに来るのが良いのか悪いのか言及することはしません。ただ僕はそういう人を好きではありません。僕は自分の中にある夢とエネルギーで創作活動をしている人が好きです。たとえ年が下でも、これは人間性の問題なので、僕には許容することは出来ません。