今更気付く。

 

文様の配置を考えている最中に、とても良いことを思いつきました。貝片をモザイク状に貼っていく方法についてです。今作っている作品の一つに12点回転対称形の箱があるのですが、その箱の図案を考えている時に思いつきました。正12角形は非常に興味深い幾何学的性質をもっています。その性質を文様の配置に使えないかと思っていろいろ考えていたら、なんとそれがモザイクによる平面充填に非常に大きく関係していることに気が付きました。今までどれだけ貝片を貼ってきたか考えたら、なぜもっと早く気付けなかったのかと、悔しい気持ちになりました。まぁ、モザイクに関する一つの基本原理と言っても過言ではないと思います。ここまでやって来て、今更こんな基本的なことを気付かされるとは思ってもみませんでした。
最近は本屋に行くと、大人になってから学ぶ数学の本とかそんなのがいっぱいありますね。僕はそのての本は買ったことがありませんが、暇なときネットや動画サイトで簡単な数学で暇つぶしをしています。例えば、「家の屋根を、雨粒が落ちた時に最も早く滑り落ちる曲面にしたい」とか、「漆の箱の甲面をどの地点でも垂直応力が等しくなるような曲面に設計したい」とか「唐草模様の最も合理的な描き方」とか「蒔絵の蒔止めは何号でするのが一番合理的か」とか、そのくらいのことですが。テーマの基準を「実際に漆工芸に役に立つ」とか「実生活で活用できる」とか、そういうことに限定すれば、無駄に深入りしないで済むと思っています。良いアイディアは必ず作品の中に活かすようにしています。作品の中に潜ませるのが、一つの楽しみのようになっています。

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