穴あけ、次男のこと。

 

2月は用事が続き、3月に入ってから福井と東京に立て続けに行ったこともあり、今週は極力仕事に専念しました。金属の加工がしばらく続いているのですが、難題にぶつかりました。ただの穴あけ加工なのですが、精密に小径の穴を開けるというのは、非常に難しいと同時に技術的にも奥が深いです。一見、単純な作業なのですが、金属の性質はもちろん、ドリルの選択やボール盤の使い方など知らないと上手く出来ません。僕は素材の加工技術や工作機械の使い方など、ほとんどすべてが独学ですが、それで良かったと心から思っています。自分で一からすべてを考えなくてはいけなかったので、自分が必要だと思うことを一つずつクリアしていくうちに、気付けば普通の漆工芸家が手掛けない加工技術もかなり経験しました。人から教えてもらうと、最短距離で行ってしまうので、早くゴールには着きますが、得られる知識や経験は少ないです。知識を得ることは、次の知識を得るための行動を誘発するので、伸びしろが無限に広がって行きます。そういう僕の制作スタイルは漆を始めたときから変わりませんし、これからも続けます。
ということで、精密ボール盤とバイスを購入しないといけません。道具がどんどん増えていきます。

最近、次男が糸魚川で拾ってきた石を顕微鏡で観たり、光を透過させたりして観察しています。あまりにも頻繁に見ているので、ヒスイ輝石、ネフライト、ロディン岩、デュモルチ石、石英、桃簾石、石灰岩、チャート、キツネ石、コランダムなど、いつの間にかほとんどの石を識別できるようになりました。石の名前を覚えるだけなら誰でもできますが、色味が似たような石をちゃんと識別するのは小学校2年生にはそれなりに難しいことだと思います。僕も石を象嵌に使おうと思ったことがあるので、昔ちょっとだけ石について調べたことがありますが、既に知識では抜かれた感じがあります。さらに最近は磨くことに興味が出てきて、サンドペーパーで磨いています。
どこの文明にも石を磨いて身に付ける習慣がありますが、古代から変わらない人間の本能的な部分を体現しています。次男がこれからどのように進化していくか非常に興味深いです。
こんな子はうちの子だけだと思っていたら、先日妻が子供を科学博物館に連れて行ったとき、もっとすごい岩石少年がいたそうです。いろんな可能性を持った子がいて、日本の将来も捨てたものではないと思いました。

 

目次
閉じる