漆の木について。

 

撮影などが一段落して、今日は久しぶりに一日中時間を仕事や家の事に使えました。昼間に仕事をして、日差しが穏やかになった夕方から草刈りと除草剤の散布をしました。去年のこの時期は個展の準備でほったらかしたので、その時の種が落ちて、今年は酷いことになりました。暑い中2時間ほど作業をしたら汗びっしょりで頭がクラクラしてきました。後でその時の気温を調べたら30℃程度しかなかったことを知り、驚きました。昨今の気温40℃はやはりとんでもない気温なのだと思います。少なくとも僕は順応できそうにありません。

漆の木は隣接する木と木擦れが起きると葉が散ります。そうすることで日当たりの良い方に枝を伸ばし葉を広げてゆくのだと思います。もしかすると根でも同じことが起きているのかもしれないと思うようになりました。枯れる株の位置や、次にヒコバエの生えてくる位置を考えるとそのように思えることがあります。確かなことは分かりませんし、今は多忙で検証することもできません。
私のような普通の人間は、生物を「個体」ベースで考えてしまいがちですが、本質はやはり「遺伝子」なのだと思います。樹木のような植物について考えるとき、人間には植物の地上より上の部分しか見えていないので、その部分を生命そのものと思いがちですが、実は本体は根であることが多いです。植物は一旦芽生えてしまうと自分の都合の良い所に移動出来ませんが、移動の手段はいくつかあります。種を実らせて新たな芽を出し生まれ変わるのも移動の手段ですが、地上の部分を枯らせて根のどこかで新たに芽を出すもの移動の手段です。だとしたら当然、地下の世界でもサバイブの仕方もあるのだと思います。「遺伝子」ベースで考えるのは、自分の生物としての意識のレイヤーとは異なるので非常にイメージし難いのですが、実際に世話をしているとそんなことに気づくこともあります。
今日はそんな一日でした。

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