漆を育てることについて。

 

今月は、富山にいる日の昼間はほとんど漆の植樹がらみに使いました。ここ数年は、自宅の庭の手入れや漆の苗を育てたりして、植物を育てることには相当詳しくなったと思うのですが、やはり土地によって土の性質や日照や湿気など、かなり違うのでやるべきことも多少違ってきます。 苗を育ててみて思うのは、土壌の性質や日照条件は当然のごとく成長に影響を与えますが、何よりも苗自体の個体差が大きいということです。分根でクローンを作れば個体差はないのでしょうが、菌や害虫で全滅したり、ソメイヨシノのようにクローンを作る度に樹齢が加算されていくのではないかという不安もあり、すべて実生の苗を使うようにしています。種子が取れるようになったら、エリート同士を交配して成長の良い品種でも作ろうかと思っています。あとは苗の段階で成長の早いものを厳しく選別してから植樹するのが良いと考えています。苗を大量に育てることが必要になるので、さらに土地が必要になりますが。 庭の手入れもそうですが、植物を育てることは、その年にやるべきことを怠ると1年間待たないといけません。木1本の1年分の成長は微々たるものですが、100本植えればその成長量の合算値は100倍になり、10年で収穫できる漆に当てはめて考えると、10本分の収穫を失うことになります。有難いことに自然の恵みは無料なので、植物を育てることはやっただけ得をする仕組みになっています。その当たり前の自然の仕組みを利用するという考えが大事だと思っています。もちろんその分の労働は伴いますが。

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