無題。

 

作品の制作以外にも違う角度から漆工芸に関わっているので、その辺で最近は忙しい日々を送っています。漆工芸の市場は無茶苦茶小さいので、社会状況の変化による環境の変動幅は大きいです。材料価格が高くなるのも大変なことなので、いつも苦労していますが、なくなるのではないかという不安も大きいです。幸いなのは、田舎で暮らしているので、それを活かしてできることが多いことです。1年に1つくらいずつ自給できるようにして、10年後くらいには漆工芸に関しては自給自足ができるようになりたいと思っています。自分一人が使う材料の量はたかが知れているので、全然不可能なことではありません。しかも、実はほとんどが頭脳労働です。自分で実践可能なところまで「知る」ことと「考える」が大事だと考えています。

今年も雪が少なく、良かったなと思っています。時間があると庭に出てコーヒーを飲んでいます。苔は冬でも育つということを知りました。園芸の本にはそのように書いてありませんでしたが、冬に湿度の高い北陸は例外なのかも知れません。1年ちょっと掛かりましたが、庭一面が緑の絨毯のようになりました。塀の直下など日照が少ない場所はスナゴケが増えなかったので、温かくなったらスギゴケかカモジゴケのような苔を植えようと思っています。苔をびっしり植えていないとゼニゴケが増殖するので、面倒ですがしっかりやろうと思います。
苔庭の逆サイドが50平米ほどの丘のようになっており、そちらをどうするか考えていたのですが、芝を植えることにしました。先日「翠苔緑芝」という題名の日本画を見ました。芝は西洋の庭っぽいという先入観があったのですが、このまえ父親と話していたら「後楽園もほとんど芝だぞ」と言っていました。僕の父親は仕事柄沖縄以外すべての都道府県に行ったことがあるという人で、茶道歴も長いので意外に庭園にも詳しかったです。調べてみると、普通に日本庭園でも高麗芝を使っていました。盲点でした。

庭に出ては木を見て「あの枝はいらないな」とか「今年一気に切ると木が弱るので、来年にしようかな」とか考えています。「きっちり切り過ぎたポメラニアンみたいな木は好きではない」とか妻に力説してもいつも軽く聞き流されますが、めげずに頑張ります。

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