研ぎ出し蒔絵で懸案だった技法があり、今制作中の作品の一部に試してみることにしました。
肉眼視ではかなり良くできたように見えたのですが、顕微鏡で確認したところやや問題もあり、今後の修正は必要なのですが、それにしても大きな可能性を秘めた制作手法であることには変わりなく、自分でも驚いています。
蒔絵は言ってみれば、たかが塗装です。しかしながら不思議なのは、粉体と樹脂しか使っていないのに、バリエーションは無限と言っても過言ではないことです。長い歴史がありますが、ある程度の考える力と、それを確実に実践する鉄の意志があれば、まだかなりの可能性を持っていると思っています。この業界には良くいますが、頭でっかちな人はダメです。漆工芸のような制作するための条件がかなり限定された世界では、技法や歴史を考察することは非常に容易ですが、作品として再現したり具現化することは非常に難易度が高い場合が多いからです。
漆工芸のような手間のかかる仕事は、制作に汗を流す人、良さを認めて投資してくれる人、この両者の共同作業だと思っています。