素地の製作。

 

ここ数日、作品の素地作りをしていました。筑波大学時代からだからCADを使うようになりほぼ25年、NCフライスを使用するようになって20年くらいになりますが、今回の素地作りは最も大作かもしれません。一番大きな部材は、コンピュータが計算した加工時間だけでも60時間以上かかるので、その間の湿度や温度の点検・管理や、工作機の誤作動、出力するコンピューター自体のトラブルなどに備えて、基本的には張り付いていないといけません。若い頃ならともかく、この年齢で60時間もほとんど寝れないのはかなり堪えました。しかもいろいろ仕事や用事を済ませながらだったのでなおさらでした。
しかし長年の経験もあり、治具の製作、加工の順序や、パスやモデルの工夫など文章にすれば枚挙にいとまがありませんが、とにかく頭が捩れるくらい考えて慎重に行った甲斐があり、なんとか成功しました。

塗ってしまえば隠れてしまう木地にここまで拘る意味について自問自答を繰り返す日々ではありましたが、樹齢数百年、厚さ僅か0.7mmの紙より軽い木地を目の当たりにすると、その神秘的な有り様に“意味”すら考える気も起きなくなります。

しばらくは木地の製作が続きますが、そのあとは木地固めをします。木地固めについても、桧の香り成分である油分を完全に脱脂し、さらに内部に極力空隙を作らない方法を考えました。経験的には非常に優れた方法であることは分かっていますが、あらためて小さなもので試して、比重の変化のデータを取ってからからやりたいと思います。

京都から帰ったらすぐに映画の撮影が再開します。最近太ったと思ったら単なるムクミでした。体調をちゃんと管理しないとマズイ気がしています。

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